公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会では、令和 2 年度より社会貢献事業部に「依存症リカバリーソーシャルワークチーム」を設置し、依存症民間支援団体の一翼を担ってまいりました。本年(令和8年)4月には、チームの活動は7年目に入りました。3月に公開された「アルコール健康障害対策推進基本計画(第 3 期)」では従来の重点課題に加え、新たに「当事者および家族(こども等)への支援」が明記されました。ヤングケアラー対策が急務となる中、依存症家庭に潜在するこどもへのアウトリーチ強化が明示されたことは、医療ソーシャルワーカーによる退院支援などにおいても極めて重要な視点となります。
また、同計画では、連携支援を担う役割として「ソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士)」という職名が随所に盛り込まれました。スクリーニングから専門機関・自助グループへの橋渡しまで、ソーシャルワーカーによる早期介入の好事例収集が推進されています。これは、今年度に当チームが作成した「事例を用いた研修用教材(事例集)」の方向性と合致するものです。加えて、専門職育成において「倫理」が強調された点も、スティグマ等の社会的問題に立ち向かう当チームの普及活動の目的に適うものです。
さらに、本年、24 年ぶりに全部が改訂された「医療ソーシャルワーカー業務指針(厚生労働省医政局長通知)」の趣旨の中に、これまでには無かった「依存症」が明記されたことは、本チームの活動を支える拠り所となると考えます。
こうしたメゾ・マクロレベルでの進展に加え、ICT の活用や減酒治療アプリの診療報酬化、電子カルテへのアルコール使用障害スクリーニング(オーディットなど)機能搭載など、支援の現場は新たなフェーズへと移行し始めたことを実感させるものです。
変革の風が吹く今、私たちはソーシャルワーカーとして、苦境にある一人ひとりにどう機能すべきか。本報告書を通じ、当チームの活動の軌跡をご高覧いただけますと幸いです。皆様からの忌憚のないご意見、ご感想を心よりお待ち申し上げております。