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お知らせ

第59回日本医療社会事業全国大会 自主企画のお知らせ

第59回日本医療社会事業全国大会 自主企画のお知らせ

「ISTT(統合的短期援助)の実践について考える」
~理論を実践に活用する~

私たちISTT研究会は「時間を最大限に活用する」実践を展開したいと考え、統合的短期援助(ISTT)の実践について会員とともに考えるワークショップを企画し、2007年から2010年にかけて4回ほど開催してきた。これまでのアンケートの結果では、参加者は一定の経験を積んだソーシャルワーカーが多く、援助の振り返りを目的としているケースも多かった。また、参加者が理論に基づく実践をするために勉強をするきっかけになったり、クライエントとの協働やストレングス視点の重要性を再確認したり、機関の種類を問わずISTTの適用範囲が広範であることもわかってきた。そこで今回は参加者とともに、これらの内容を踏まえて、クライエントや所属機関や地域を視野に入れたメゾからミクロレベルのISTTについて考える機会としたい。

「小児ソーシャルワークを考える」
~周産期退院調整加算新設から1年、現場における悩みと課題~

小児医療分野で働くソーシャルワーカーは、全国的にはまだ少数であるが、この自主企画では小児医療ソーシャルワークが直面する課題についてディスカッションの機会提供や小児分野の実践モデルの提示、また社会資源について理解を促す活動を積極的に行ってきた。2011年は全国的にNICUの病床不足が深刻化している中で、平成22年度の診療報酬改訂で新設された「NICU退院調整加算」をテーマに、参加者の理解を深めたい。具体的には、次のような柱に関して、研究者及びエキスパートソーシャルワーカーの報告をもとに、参加者とのディスカッションを行う予定である。
1)NICUの病床が不足する要因と現状-医療ソーシャルワーカーの視点からの分析
2)退院調整加算の算定の現状
3)今後の課題

「オンコロジーソーシャルワークを考える」

 オンコロジーソーシャルワーク研究会は平成15年度、ネットワークづくりとがん医療におけるソーシャルワーク実践の共有を目的に自主企画を開催しています。
がん医療におけるソーシャルワーク実践の情報が少なかった当時と比べて、現在では平成18年6月のがん対策基本法の施行、地域がん診療拠点病院の指定などに伴い、国立がんセンターを中心としてがん拠点病院のがん相談支援センター及び日本医療社会事業協会においても、多くの研修会が開催され、以前より多くの学びの機会が増えてまいりました。しかしながら一方では、日々手探りで実践をされている中で感じる悩みや不安を解消する術の少なさを、変わらず感じているのも現状です。そこで今年は、より身近にがん患者さんとその家族のソーシャルワーク:オンコロジーソーシャルワークを感じていただけるようグループワークを企画しております。がん患者と出会う機会が稀ではない今だからこそ原点に立ち返り、ネットワーク作りの場として本機会を有効に活用させて頂ければと期待しております。
こんなことを知りたい、こんなことができたらいい、こんな方法もあるなど皆様の実践を結集し、次への一歩に結び付けていきたいと思っております。ついては、グループワークで取り上げてほしいトピックスやご意見がありましたらオンコロジーソーシャルワーク研究会事務局(higuchi@ccaj-found.or.jp)までご連絡を下さい。
第59回日本医療社会事業全国大会 日本協会各委員会企画

「SWHSソーシャルワークデータシステムを用いて得られた結果と
SW実践の根拠データを作成していくということ」
ソーシャルワークデータシステム委員会

2009年に福祉医療機構の助成金を得て、急性期病院のソーシャルワーカーと医師、研究者を交えて、ソーシャルワーカーの業務統計の検討と業務の基準化に取り組み、業務統計の作成ができるデータベース「SWHSソーシャルワークデータシステム2010」を開発した。作成したシステムは、昨年3月から、全国の会員のいる病院へCDとして配布した。このシステムは、各病院のデータを日本医療社会事業協会(協会)へ送付できるように設計しており、5月から、協会で全国の医療機関で入力したデータを集計する「協会集計データベース」の開発に取り組み、データ集約の環境も整えた。また、配布したシステムの改良の要望があったことから、一部を改良し、バージョンアップ版を10月から配布した。12月からは、半期分(システムの使用2010年4月~9月)のデータを集約し、データ集計・分析を行う取組を開始している。
システムの配布は、2011年1月までに、約1000医療機関から送付希望があり、配布した。8月の時点で、システムへの移行ができ、使用を開始した病院は、約100医療機関であった。また、各病院でのデータベースからの移行を予定している病院は、約100医療機関であった。半期分のデータを送付した病院は、47医療機関であった。
このデータシステムの開発は、全国のソーシャルワーカーが協力して、ソーシャルワークデータを作り上げていく新たな“ソーシャルアクション”である。今回全国から集約したデータから、病院間のデータの比較が可能となった。病床機能別の支援件数やその内容、SWの1人当たりの件数とSW人数による差、業務量、支援患者の概要などについて、その傾向を把握することができ、今後さらに実践の根拠データとして作り上げていく方向性も得られた。
今回の大会では、集約したデータからまとめられたデータ結果を報告するとともに、SWの実践の何をデータとして作成できるかについても考察したので報告し、会員へ協力を呼びかける機会としたい。
尚、新たにシステムを使用する病院へは、システムのバージョンアップ版を配布する。

「交通事故被害者生活支援におけるソーシャルワーカーの現状と今後の課題」
交通事故被害者生活支援教育事業運営委員会

事業開始から2年間で全国都道府県協会のうち43会場、約2,000人の参加があった。各会場で日本協会版アンケートをとっている。そのアンケートを分析し、交通事故被害者の生活支援におけるソーシャルワーカーの現状を明らかにする。
本事業に協力参加をいただいている日本損害保険協会および国土交通省の担当者から、それぞれの組織の取り組みとソーシャルワーカーに期待することをご提示いただく。

講師: 日本損害保険協会 業務企画部長 杉田純一
国土交通省 自動車交通局 保障課 被害者保護企画官 高木修

「倫理綱領の改訂に向けて―IFSWにおける国際的議論の現状」
倫理綱領検討委員会

「倫理綱領」が、私たちソーシャルワーカーが依って立つところのものであることに、異論のある方はないと思います。この「倫理綱領」が、IFSW:国際ソーシャルワーカー連盟が2000年7月モントリオールの総会において採択した、「ソーシャルワークの定義」 をもとに、決定されたことは、知っておられる方も多いとと思います。では、IFSWで、その改訂に向けた議論が始まっていることは、ご存じでし たか? 
日本からは、IFSW:国際ソーシャルワーカー連盟の会議には、今回の講師にお越しいただく秋元樹先生が、ご参加されています。このたびは、その秋元先生から、「そもそも我々の依って立つところの世界の倫理綱領は、どのように策定されているのか。」また、「世界的にソーシャルワーク倫理の潮流がどのようになっており、何が議論の焦点であるのか」について、直接お話をお聞きし知ることができる貴重な機会です。
また違った視点から、世界の議論をへて今ある倫理綱領について、医療の臨床場の実践に近づけてとらえなおしてみませんか?今後は、日本の医療における実践者として、今の倫理綱領が現実に即してないと感じる点や、今後の改訂には何が盛り込まれるべきか等の発信など、双方向性のある活動に展開していく手がかりにできたらと考えます。皆さんのご参加をお待ちしております。

講師:アジア太平洋ソーシャルワーク会議会長 秋元樹(日本女子大学人間社会学部社会福祉学科教授)